吾の手の母に似てきて八十の夏
三世代薔薇満開の墓地訪ぬ
記念の樹蕾いっぱい山法師
薫風や歩幅広がる心地して
友の訃に吾も衰ふ麦の秋
茶畑の直線並ぶお茶の村
廃屋の温泉旅館夏の月
炎天下愕然と見る廃虚宿
庭の蕗程良き加減母の味
人知れず一人静の散りゆけり
葉桜や人生惑うことばかり
今日は今日の倖せ咲かす白い薔薇
珈琲はブラックが好き朝曇
半日は頭空っぽ草むしり
遠き子に思い通はず舞雲雀
A列車出発駅に燕の巣
余生とこそ思ふ一歩や風薫る
また覗く郵便受けや春寒し
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