夫植えし檸檬たわわに実る庭
秋寒や膝に仔犬の暖かさ
弾む歩に力をくれる鴨の群れ
眠れずにをれば煌々十三夜
雲の間に見え隠れして十三夜
面影を想い重ねし鴛鴦よ
投げ生けし外玄関の草の花
平凡な幸せ感じ吾亦紅
亡き人を偲びて仰ぐ居待月
木犀や闇深ければ濃く匂い
穂芒の風に波打つ阿蘇の道
流れゆく雲追ひかける秋の旅
恙なき今日に感謝の秋夕焼
虫すだく今宵の一句湯気の中
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