行く年を遠き昭和に浸る夜
柚湯の香五右衛門風呂の祖父の顔
年惜しむ心通はす友ら逝く
線香の揺らぐ安らぎ冬の朝
目に見へぬ敵と闘う年の暮
誘われず誘へず一人冬椿
茶葉ひらく待つ間の静か冬雀
牡蠣小屋のいろり囲いし夫の顔
子ども乗せペダル踏む母北の風
祖母偲ぶべっ甲色の吊し柿
ポインセチア一家団欒過ぎし日々
日々無事のありがたさなり布団干す
終わりなき禍愁ひ冬日没る
生きづらさ寂しさ癒す冬日向
五年後の自分に希望日記買ふ
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。